アラサーしんりしの日常

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スクールカウンセラーって何者?【しんりしの仕事】

実はこの2月、某自治体のスクールカウンセラー(以下、SC)の合否結果待ちをしていました。

結果はなんとか合格!やったね!

 

そんなこんなで、今回はSCという存在やその仕事内容についてまとめます。

 

スクールカウンセラーとは?

SCは臨床心理学の専門家で、学校をはじめとする教育現場で心理的サポートを行う仕事です。

 

1つの学校につき隔週~週1日程度の非常勤勤務が多い印象ですが、私学だと週4日ほどSCが勤務している学校もありますね。

 

私が知る限り、多くは公認心理師臨床心理士といった資格を有する人が働いている印象ですが、それがなくても他の条件を満たしていれば(精神科医である/一定年数以上教育現場に従事しているなど)SCに応募することができます。

 

先日二次審査でお話させていただいた方の中に、長年教育のスペシャリストとしてご勤務された後にスクールソーシャルワーカー(SSW)として働いておられる方がいらっしゃいました。SSWの仕事をする中で、さらに心理的サポートにご関心を持ったのだとか。

とってもパワフルな方で、(おこがましいですが)こういう熱意を持った方と肩を並べて仕事がしたいなぁと思いました。

 

スクールカウンセラーの仕事内容

SCの業務として、真っ先にイメージされるのは“面接”ではないかと思います。

面接=カウンセリングという認識をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、SCとして面接を行うにはもう1つ視点が必要です。

 

文部科学省がSCの業務を記載しています。

www.mext.go.jp

こちらに則って簡単に紹介しますね。

 

1. 面接相談①カウンセリング

SC業務における面接相談は①カウンセリング、②コンサルテーションがあります。

 

カウンセリングでは、児童生徒、保護者、教職員、事務職員、給食職員、(自治体から配属されている場合は)市町村職員など、児童生徒を中心としたときに教育にかかわる全ての人が対象となります。

当日のスケジュールに沿って話をするカウンセリング(待機するカウンセリング)と、面談の必要があるにもかかわらずサービスと繋がっていない児童生徒や保護者などに対してサポートの形を組み立てていくカウンセリング(接近するカウンセリング)の両方をバランス良く行える必要があります。

(某SNSにて「配属校が平和で暇」的な発言を以前目にして愕然としたことがあったのですが、おそらく接近型の動きが足りていないSCだったのだろうと勝手に推測しています)(小声)

また、カウンセリングルームや医療機関でのカウンセリングと比較すると、枠組み(治療構造)が守られない局面もあります。その場合、きっちりと枠組みを設定しようと動くことも大切ではありますが、現在の構造の中でできることを臨機応変に考えていく必要があります。SCも「学校」という組織の一員だと考えれば当たり前のお話ですね。

持っている枠組みに限界を感じたとき、SC個人または学校内だけで解決しようとせず、外部機関にリファーすることも視野に入れる必要があります。信頼できる紹介先を持っておくことが望ましいですが、特に児童を対象とした精神科・心療内科は数が少なく、どうしても待機時間が発生してしまうことは大きな課題ですね…。

 

2. 面接相談②コンサルテーション

事例に対するアセスメントをしたうえで、適格なコメントやアドバイスなどを行います。カウンセラーがコンサルトとして、コンサルティ(教職員、保護者など)に意見を提示する必要があります。

そのためにSCは様々な事例に対して臨床心理学的な見方に精通している必要があるし、その領域の最新情報にも敏感でないと対応が難しいこともあるでしょう。SCに限ったことではありませんが、日々の鍛錬が必須なわけですね。

 

3. 協議ーカンファレンス

ある事例に対して、関係者が情報の報告・共有を行い、解決に向けた方向性の話し合いのことを指します。

コンサルテーションと異なり、その場に参加している人(SC、生徒指導担当者、養護教諭、学年主任、担任など)それぞれが役割に応じて意見を出し合う、いわば対等な関係性のもと行われます。

カンファレンスのコーディネーター(中心となってカンファレンスを進める役割)はその都度異なります。また、外部機関の関係者にもカンファレンスに参加してもらう場合は、前もって管理職の許可を得る必要があります。

 

4. 研修・講話

教職員、保護者、地域へ向けた研修、講話、講演などを行います。形式は情報伝達型、参加型・体験型、事例研究形式など幅広くありますが、簡潔にわかりやすい説明を心がけるのが最も大切です。もちろん専門知識の準備も必要ですが、何のために(何を伝えるために)参加者に集まってもらっているのかをいつも念頭に置いておきたいですね。

 

5. 査定、診断(見立て)、調査

SCは臨床心理学の専門家という立ち位置であることから、心理検査を用いた査定(アセスメント)を行います。自分で実施できるだけではなく、外部機関で実施した検査結果を読み取る力も必要です。

(勤務先にたまにどえらい検査所見が届くとドキドキしちゃいます…果たして誰のための、何のための検査なのか……)(小声)

面接・観察・査定などを経て見立てを行いますが、このときに注意が必要です。「うつっぽいな」「発達障害かな」と見立てることもあると思いますが、そのような診断を伝えることは医療行為に該当します。ゆえに、医師免許を持たないSCは診断を伝えてはいけません。

自分の見立てをいかにコンサルテーション、カンファレンスの場でわかりやすく(診断名を用いずに)伝えられるか、これはSCの腕の見せ所ですね!

また、SCはストレスチェックなどのスクリーニング調査やその他意識調査を行うこともあります。この目的はあくまで児童生徒がより良く学校生活を送るために心理状態を把握することであり、個人的な研究のためではありません。

 

6. 予防的対応

先に述べたストレスチェックや、ストレスに対処するストレスマネージメントの方法を教えるといった業務が該当します。

何か問題が起こる前に状況を把握し、できるところから取り組んでいく(ストレスが高い児童生徒への予防的な働きかける、ストレス軽減の方法を伝える)大切な業務ですね。

 

7. 危機対応、危機管理(リスクマネージメント)

学校で災害、事件、事故などの危機的状況が発生したときにはSCが対応します。危機発生時にはまず規模を把握し、適切に支援を要請します。SCも人間ですから危機的状況には動揺することもあるでしょうが、冷静な対応・判断がとても重要なタイミングです。

 

おわりに

今回は文部科学省の記載を概ねそのままご紹介しました。

(たまに私のぼやきも入ってしまいましたが笑)

 

こうやって改めて羅列すると、その仕事内容は多岐にわたりますね。SCは上記に対して十分な準備を整えておく必要があります。

児童生徒がより自分らしく学校生活を送れるよう、学校のニーズに最大限応えられるよう、私も新年度に向けて準備を進めます!